がくちょうです。
あっという間に2月になってしまいました。
1月の初旬に、色々とスプラトゥーンに対して感じることがあって、3つくらいの記事を書きました。
で、そこからスプラトゥーンについて色々と考えを整理していて、これからやることなどを考え直していました。
結論:スプラトゥーンは競技性を高める気が無い
現段階で、私は結論として
そもそもスプラトゥーンは競技性を高めるつもりが(当分の間は)無い
という風に捉えました。
言い方を変えると、「夢中にさせる気が無い」とも言えるでしょう。
できるだけ考える余地を狭めて、あまり深く考えずに誰でも楽しめるゲーム性を目指しているように感じます。
これはつまり、「新規ユーザーの拡大を目指している」という事です。
複雑性が高く、色々調べたり考えたりしないといけないゲームほど、新規の参入ハードルは上がります。
私はLOLなどの「MOBA」と呼ばれるジャンルも、タクティカルシューター系のオーバーウォッチなども遊んでいるのですが、それらのゲームは本当に新規参入ハードルが高くて、とにかく最初は座学から入らないと何もできないままに理不尽に負け続けてしまいます。
(しかも、動きを理解していないと味方に「アホ」とか「●ね」とか言われます)
ゲームをプレイするのに必要な思考領域が広いほど、上記のようなハードルが生まれてしまい、最初から本気のゲーマー以外はプレイできなくなります。
そういう意味で、スプラ3は明らかにスプラ2よりも思考領域を減らしていますよね。
- 狭くて全ての状況が視野に入るように創られたステージ構造
- 似たような編成にマッチングするシステム
- 変化に乏しく頻度も少ないアップデート
などは、言ってみれば非常に「薄味」で、誰でも学習無しに楽しめるようなゲーム性です。
これの反対側を言えば
- ⇒広くて複雑で状況を把握しづらいステージ構造(なので勉強や学習や予想などが必要)
- ⇒毎回変わるメタ構造の複雑なマッチング(なので勉強や学習や予想などが必要)
- ⇒変化が大きくしょっちゅう行われるアップデート(なので勉強や学習や予想などが必要)
という風になります。これはいわゆる「濃い味」のゲームで、ユーザーを夢中にし続けるように設計されています。(オーバーウォッチはまさにこんな感じです)
味が濃いほど、その味が合っているゲーマーほど夢中になれますが、合わない人は全く食べられません。
逆に、味が薄いほど誰でもいつまででも食べられる。ポテトチップスの「のりしお」や「うすしお」みたいなもんですね。
そう考えた時に、明らかにスプラトゥーン3は「意図的にうすあじ」に仕上げてあり、やりこんでいるゲーマーからすると非常に物足りないんだけど、新しく食べる人からすると万遍なく「まぁまぁ美味しいんじゃない?」みたいな状態になっていると思います。
これを、運営は意図的にやっているのではないか?と私は最近になって思うようになりました。
そもそも「ゲーマーにハマりまくってもらって、毎日何時間もやりこんでもらう」つもりで創っていない。
だからコアゲーマーたちはどんどん離れてしまっていて、代わりに新規のライトゲーマーにはちょうど良い味付けくらいになっている。
なんだかんだスプラは、「ゲームなんてスプラトゥーン以外にはほぼやったことないわ」みたいな人を対象にしようとしているんじゃないでしょうか。
これは非常にチャレンジングで、世の中の流れに対しては逆流するような行動です。
言ってみれば、「濃い味」系の期間限定ポテトチップスが新商品で出まくっている世の中で、うすしおに変わる新しい「定番・スタンダード」を創ろうとするような動きだからです。
ほとんどのユーザーはすっかり濃い味に慣れてしまっていますし、「新商品だから濃い味だろう」と思っていますから、ポテチを食べ慣れている人からすると「いや、、、薄くね?」という風になるでしょうし、実際にスプラ2以前からのユーザーやコアゲーマーたちはスプラ3に対してそういう感想を述べているケースが多いです。
しかし、全く初めてポテチを食べたような人だと「ちょうどいいじゃん!」となる、、、のかもしれません。
そういう意味では、もはや「ゲーム業界でパイを獲り合う」という事すら任天堂は考えていない可能性があります。
ゲーム業界では「コアゲーマーに実況してもらう」事で、ゲーマー達のパイを奪い合うのが主流になっていますが、その方向で考えるとスプラ3のやっている「コアゲーマーに焦点を当てない」という施策は愚策になります。が、もし任天堂が「ゲーム人口自体の拡大」を視野にマーケティングを行っているのなら、つじつまが合います。
そもそもそういうターゲット層は、youtubeのゲーム実況など見ないからです。(実際に私の嫁はそういう層で、ゲーム実況など見たことも無いですが、友達とたまに楽しそうにスプラをやっています)
薬にも毒にもならない中途半端な面白さ
私はスプラトゥーン2から始めてドハマった人なのですが、その時にスプラ2に対して
「あまりに中毒性が高くてハマってしまうゲーム性」
を感じ、
「なんか良く言語化できないけどメチャクチャ面白い!ハマる!上手くなりたい!だけど、複雑性が分解できないから、どうすればいいのか分からない!」
という状態になっている人をたくさん見て、解説やチーム作りをスタートしました。
当時は明確にそこにGAPがあったし、解決するべき課題があったのです。
しかし、スプラ3になって、運営がそもそも「中毒性を下げて適度にハマりすぎずにゆるく遊ぶゲーム」に舵を切ってしまい、上記のようなニーズが無くなっていくのを感じています。
スプラ3は、現段階で薬にも毒にもならない中途半端な面白さであり、このゲーム性で「どうしてもコストを払ってでも上手くなりたい!」という風にはならないでしょう。
熱中して、毎日工夫して、どうにかして上手くなる方法を模索するようなゲームではなく、なんとなくぼーっと適当に見えている敵を倒し続けて、まぁ5~6試合したら辞めて別ゲームをやるくらいのゲームになっているわけです。
そんな場所に、マーケットはありません。だから、もうスプラトゥーン関連で何か利他的な活動をするのは辞めてしまおうかなと考えていました。
「複雑性(面白さ)を解説する」から「複雑性を伝える、広める」にシフトする
ただ、それも少し違うかなと思って、改めて1月に自分がやるべきことを考えて整理していたというわけです。
で、改めてこれまでの活動を振り返ると、これまでは
そもそもスプラトゥーン2がめちゃくちゃ複雑性が高いしハマるゲーム性だったので、既にハマっている人に「複雑性を解説する」という供給が刺さっていた
という感じでした。
しかし、この課題は今後は消滅していきそうです。
なので今後は、
「スプラトゥーン3はまぁ面白いけどそこそこだよね、でもハマるほどじゃないね、もっと遊びたかったのに」という人に「スプラのゲームとしての複雑性を理解し、長く深く楽しむ方法(コツ)」について伝えていきたいなと思いました。
簡単に言うと、
①こんな風に考えながら取り組むとスプラトゥーンは奥が深いんだよ
という、ジョブ理論を筆頭としたゲーム理解度の向上に寄与するのと、
②誰かと一緒に目標を目指すとスプラトゥーンはもっと楽しめるよ
という、チーム戦を中心としたゲームへの関わり方を普及していくのと、
この2面を中心にスプラトゥーンに対して恩返しができたらいいなと思います。
上記を上手く実現してあげれば、運営が新規を増やしまくっていくのに対して、アクティブ率の向上や維持の部分をサードパーティーとして支援できるはずです。